合コンとは、私の想像するものより少しだけ、屈折しているらしい。①

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何故、私は会って間も無い男性のハードな写真を見ているんだろう。今日は私が知らされていなかっただけで、そういったフェチズムな集まりだったのだろうか。

そう思って周囲を見渡すが、やれファーストキスがいつだ、やれ初体験がどうだとか、私が想像していたライトでありがちな楽しい話に花を咲かせている。数分前まで私もあっち側の人間だった。

けど今はどうだろうか。
私は今、天井から吊るされた、男性の写真を、こっそり見せられている。

それだけではない

この状況はただの性癖暴露ではなく「付き合わない?」という提案の場であり、彼にとってこの写真は自己アピールだったのだ。

「付き合わない。」

私の口からこぼれ出た。

どうやら合コンとは、私の想像するものより少しだけ、屈折しているらしい。

 








大学2年の梅雨。

中学3年からお付き合いしていた彼に別れを告げられた私は、未練こそなかったものの心に大きな穴が空いてた。女の子の通過儀礼である「あんなに好きな人、もう現れないよう…。もう、恋なんて出来ないよ…!」という戯言を吐いてしまったのがこの時だった。むふふ。

今改めて思い返してみると、このとき私は初潮を迎えていたように思う。もちろん身体的なものではない。この戯言こそが私がレディになるために排出すべき経血だったのだ。

この別れにより今となっては純粋だった、私の“ 女の子 ”としての恋愛が幕を閉じたのだ。今後私は駆け引きや損得感情の伴う男女関係を学んでいくこととなる。“ 女性 ”としての恋愛だ。

ここまで読んで突っ込みどころも多いと思うが、あくまで私の物差しで書かれたものなので温かく見守っていて欲しい。




 

 

 

 

心の穴の通気性に感心しつつ、日々打ちひしがれている私に変わるきっかけをくれたのがKちゃんである。大学進学とともにイケイケ街道まっしぐらだった彼女は、私を合コンに誘ってくれた。

合コン…弱肉強食の恋愛サバンナ。雄はみな狩人の目となり、虎視眈々と獲物を狙う。雌は入念な装備で草原を駆け巡り、時に仕掛け、時にいなし、強い雄をこちらもまた狩ろうとしている。

想像力に乏しく偏見交じりの私のイメージだ。

確かに私は「ごきげんよう」とリアルに授業前にいう女子大に在学していた。いいのか。装備が「女子大」しかないのにサバンナでやっていけるのだろうか。ごきげんよう、で男を落とせるのだろうか。

 

 

ちなみにKちゃんは才色兼備だ。可愛い。ちょいギャル系の可愛さ。その見た目から気が強そうだと思われがちだが、人懐っこい性格で、気付くと誰とでも仲良くなっている。そのギャップが最高。

そしてとても勉強が出来る。受験期に「もう赤本みんな解いちゃってやることないや~」と言い、軽々高偏差値の大学に合格していた記憶がある。なんぞそれ。

かたや私は勉強が出来なさすぎてやつれ、教員に職員室に呼ばれていた。「よもぎさん、ダメよ…そういうのは癖になっちゃうからきちんと食べてね。先生と約束して。」最初は何のこっちゃ分からずキョトンとしたが、要は拒食症に陥っていると思われたのだ。

あら、話がそれちゃったてへぺろ。

私が言いたかったのは、合コンという名のサバンナにおいてKちゃんが、どう考えても有能な狩人であると同時に極上の獲物である、ということだ。私なんて付け合せだ。パセリ的な。

 








気付いたら合コン開催日を発表されており、私は参加が決定していた。

確かに多くの男性を見てみたい。小学生の頃からド田舎の進学校に通っていた私は、性に関する知識は一丁前だったものの、男に関する知識が乏しかった。

よし、参加するか合コン。彼氏いないし。彼氏いないから時間も確かにあるし、彼氏がいないから何も気兼ねすることなく参加できる。なんたって彼氏がいないからね。

 

こうして私の圧倒的合コン期が幕を開けたのであった。

 

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🐸よもぎ🐸

 

 

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